「検索してもサイトに来てもらえない」——そんな悩みが、いま多くのEC運営者に広がっています。GoogleのAI Overviews(検索結果の上部にAIが要約を表示する機能)が普及し、利用者が検索結果をクリックせずに答えを得る「ゼロクリック」が一般的になってきたためです。本記事では、最新データで何が起きているのかと、EC運営者が取るべき対策を整理します。
データで見る「ゼロクリック」の現状
2026年、AI検索の影響は数字にはっきり表れています。
- ヴァリューズの調査では、Google検索からの流入が最大で41%まで減少したと報じられています
- AI Overviewsが表示されるクエリでは、自然検索のクリックが約38%減少したとされています
- 検索してもサイトに移動しない「ゼロクリック率」は、2026年に約65%に達したとの分析もあります
これは、利用者がAIの要約だけで満足し、個別のサイトを訪れなくなっていることを示します。
なぜECサイトにも影響が及ぶのか
これまで旅行やECの分野は、AI Overviewsの影響が比較的小さいとされてきました。しかし、その状況は変わりつつあります。
- 商品比較や「おすすめ」を尋ねる検索で、AIが要約を返す場面が増えています
- AI Overviewsは今後、画像検索のGoogle Lensとの連携を強め、家具やレシピのように「画像から提案する」形にも広がると見られています
- 結果として、これまで安定していた検索流入が、じわじわと目減りする可能性があります
「引用される店」になるという発想の転換
ここで大切なのは、対策の考え方を切り替えることです。従来のSEO(検索エンジンで上位表示を狙う施策)は「クリックしてもらう」ことがゴールでした。しかしAI検索時代は、「AIが答えを作るときに、信頼できる情報源として自社が引用されること」が新しいゴールになります。
この考え方は「LLMO」(大規模言語モデル最適化:AIに正しく理解・引用されるための施策)と呼ばれ、従来のSEOに代わる、あるいは補う施策として注目されています。
EC運営者への示唆
今日から始められる対策を挙げます。
- 一次情報を明確に書く:価格・在庫・素材・サイズ・使い方など、AIが引用しやすい具体的な事実を、曖昧さなく記載する
- 信頼性を示す:運営者情報、レビュー、実績など「誰が言っているか」が分かる要素を整える
- AIからの見え方を測る:自社の商品ページがAIにどう認識・引用されているかを定期的に確認する
自社ページがAI検索でどう扱われているかを点検したい場合は、AIOチェッカーのようなツールで現状を可視化すると、優先すべき改善点が見えてきます。
まとめ
AI Overviewsの普及で、検索流入は「クリックされる」から「引用される」時代へと移りつつあります。流入の数字だけを追うのではなく、AIに信頼される情報源になることを目指すこと。それが、ゼロクリック時代にECの集客を守る現実的な一手です。まずは商品情報の正確さと、信頼性の可視化から着手しましょう。
